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2024年10月2日更新

関わり合いからいきいきと人と地域が再生していく場・制度・システム

複雑性と不確実性が高まる現代社会において、人が出会い、関わりを深める中で育まれるコミュニティの重要性が再認識されています。多様で豊かなコミュニティによって、人々の生活、地域社会がどのように構築されていくのか。そしてそこに関わる人々が「いきいきと」何かを取り戻したり、新しい考えや行動が生まれていくために必要な条件や環境とは何か。それを支える場・制度・システムはどのようなものなのか。

プロセスの解明と手法の開発を通じて、関わり合いから人を育む都市の実現を目指してます。


日頃お受けしている仕事

1.市民主体のまちづくりの仕組みづくり、環境構築の設計、調査研究

2.共創・協創プロセスやプラットフォームの設計、調査研究

3.地域や組織におけるコミュニティリーダーやソーシャルイノベーションの担い手育成、調査研究

4.まちづくりの事例共有会や円卓会議などのファシリテーション、コーディネーション


実績一覧

【理事・アドバイザー等】

■公益財団法人ふじのくに未来財団 理事(2022年6月から現在に至る)

■一般社団法人ミライヌ 代表理事(2018年6月から現在に至る)

■特定非営利活動法人しずおか共育ネット 副代表理事(2017年5月から2021年5月)

■特定非営利活動法人とうもんの会 アドバイザー(経営・地域づくり)(2023年1月から2024年3月)

■株式会社サンロフト アドバイザー(持続可能な組織づくり・人材育成)(2021年10月から2024年3月)


【委員等】

■公益財団法人ふじのくに未来財団 助成事業選考委員会 委員(2024年5月から現在に至る)

■静岡市 大谷・小鹿まちづくり検討会議 委員(2024年3月から現在に至る)

■藤枝市 未来型人材育成プロジェクト アドバイザー(2021年6月から2023年3月)

■藤枝市 商業まちづくり懇話会 委員(2023年2月から現在に至る)

■静岡市 駿河まなびのまちづくりグランドデザイン検討会 委員(2020年4月から2021年3月)

■静岡市 市民自治推進審議会 委員(2017年2月から現在に至る)

■静岡県くらし環境部 若者向け消費者被害防止教育情報発信事業検討会 委員(2018年7月から2018年3月)

■静岡県くらし環境部 ふじのくに消費者教育推進フォーラム実行委員会 委員(2017年12月から2017年3月)


【講師・コーディネーター・講演等】

■静岡県くらし環境部県民生活課  若者主体の消費者教育・啓発事業 コーディネーター(2024年9月〜2024年10月)

■静岡市 主査3年目研修「市民協働研修」 講師(2024年8月29日)

■静岡市海洋産業クラスター協議会 SHIZUMAE Lab. 統括コーディネーター(2024年6月〜2025年3月)

■静岡県ニュービジネス協議会 「チャレンジにやさしい社会を生み出すプラットフォームとビジネスモデル構築への挑戦」講師(2024年5月13日)

■静岡市海洋産業クラスター協議会 しずまえラボ プログラム開発・監修(2023年10月〜2024年2月)

■静岡市 静岡シチズンカレッジここに修了生交流会「ここにわ」 コーディネーター(2024年3月2日)

■一般社団法人美しい伊豆創造センター 持続可能な地域づくりのための発表・交流会 メンター(2023年11月12日)

■熱海市(株式会社machimori) GeNSEn SYMPOSIUM コーディネーター(2023年10月13日)

■静岡市 静岡シチズンカレッジここに修了生交流会「ここにわ」 コーディネーター(2023年3月)

■沼津市 協働のまちづくりセミナー 講師(2022年11月)

■静岡市 第2回SDGsユースサミット パネラー(2022年10月)

■静岡県くらし・環境部 若者主体の消費者教育・啓発事業ワークショップ ファシリテーター(2022年9月から2022年12月)

■藤枝市 6大学連携共同講座「しずおか中部“未来学”」 コーディネーター(2022年8月から現在に至る)

■島田市 協働のまちづくりセミナー 講師(2021年12月から2022年3月)

■焼津市 市民協働人材育成講座 講師(2021年10月)

■ふじのくに文化情報センター ふじのくに文化情報フォーラム コーディネーター(2020年2月から2021年2月)

■社会福祉法人駿河会 次世代管理職研修 講師(2019年11月)

■「森林と市民を結ぶ全国の集い2019 in 静岡・掛川」実行委員会/公益社団法人国土緑化推進機構 第23回森林と市民を結ぶ全国の集いワークショップ ファシリテーター(2019年6月)

■医療法人社団アール・アンド・オー 若手職員キャリア形成プログラム 講師(2019年5月から2020年3月)

■静岡COC+連携協議会 2018年度インターンシップ専門人材研修会 講師(2019年2月)

■僧侶のためのファシリテーション連続講座 講師(2019年1月から2020年12月)

■静岡市 清水区ディスカッション コーディネーター(2018年7月、2019年7月)

■全国青年司法書士協議会関東ブロックしずおか研修会 コーディネーター(2018年7月)

■株式会社ソミックマネージメントホールディングス 新卒研修 講師(2018年4月から現在に至る)

■東京海上日動火災保険株式会社 新入社員研修 講師(2018年4月、2019年4月)

■静岡市 静岡シチズンカレッジここに修了生交流会「ここにわ」コーディネーター(2018年3月)

■公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム・静岡県  第3回ふじのくに地域・大学フォーラム with 地域イノベーター パネリスト(2018年2月)

■静岡大学地域創造教育センター・静岡県公民館連絡協議会 生涯学習指導者等研修事業 講師(2017年12月)

■静岡県 第3回持続可能な地域コミュニティに向けた県・市町連携推進会議 講師・ファシリテーター(2017年11月)

■静岡県 地域イノベーターフォーラム コーディネーター(2016年12月)

■静岡県 しずおか消費者教育未来会議 コーディネーター(2016年11月から12月)

■静岡県教育研究会商業部会 第2回商業教育研究委員会 講師(2016年7月)

■静岡市 新規採用職員研修 講師(2016年11月、2017年11月)

■静岡大学 静大発”ふじのくに”創生プランキックオフシンポジウム パネリスト(2016年2月)

他、ワークショップ等のコーディネーター・ファシリテーター多数


過去に書いた物

揺れ動きながら自己と社会を創り合う若者と市民活動(2024)

(静岡市番町市民活動センター広報誌『ばんたび』No.60 寄稿)

大学生の挑戦を支える言葉・意味・物語の可能性ーみんなのチャレンジ基地ICLaのアクションリサーチから(2023)

(大正大学地域構想研究所『地域構想』第5号)

若者が希望を抱く地域づくりー藤枝市6大学連携共同講座の取り組みからー(2023)

(大正大学地域構想研究所『地域構想』第5号)

・大正大学地域創生学部地域創生学科 地域実習II 藤枝班 「ほどよく、都会。ほどよく、田舎。」な藤枝市での「暮らし」の探究(2023)

(令和 4 年度 藤枝市大学とのまちづくり推進事業 (首都圏大学還流推進事業) 報告書)

現代社会における市民社会の様相ー活動経験者の語りから描かれる市民・市民社会像(修士論文)(2022)

(静岡大学大学院人文社会科学研究科修士論文(学位論文))

「地方創生」から「持続可能な地域社会デザイン」へ(2022)

(大正大学地域構想研究所『地域構想』第4号)

藤枝発、ICTと地方創生ーICT×ローカル人材育成:2年目を迎えた「藤枝市未来型人材育成プロジェクト」はどんなプログラムで進んでいるのか?(2021)

(大正大学地域構想研究所 寄稿)

・「意味を共につくる」思考で地域をつくる−藤枝市未来型働き方セミナーの講演から(2021)

(大正大学地域構想研究所 寄稿)

「わたし」を、あの人につなぐ、まちにつなぐ。そんな市民のまちづくりへ。(2021)

(令和2年度島田市協働のまちづくりセミナー|「わたし」から始める小さな一歩アイ(I&愛)がある地域にしていくために)

テクノロジーと地域創生をテーマとした教育事業の確立へ(2021)

(大正大学地域構想研究所『地域構想』第3号)

・テクノロジーで人とまちの関係性をどう変わる?―大正大学生と企画した「藤枝とあなたをつなぐサービス ジブンドコ。」から考える(2020)

(大正大学地域構想研究所 寄稿)

・藤枝発、ICTと地方創生―学び合いコミュニティを通じて人材育成と企業とのマッチングを進める「藤枝未来型人材育成プロジェクト」(2020)

(大正大学地域構想研究所 寄稿)

東京・地方の対流を促す教育プログラム開発と持続的なプログラムとしての自立を目指して(2020)

(大正大学地域構想研究所『地域構想』第2号)

・日々を生きる生活者とともに、地域をつくる実習(2020)

(大正大学地域構想研究所 地域創生学部 地域実習レポート)

・人との出会いの中で各人が目標以上の成果を達成(2019)

(大正大学地域構想研究所情報誌『地域人』第48号)

・一人ひとりが社会の担い手となれる環境を目指して(2019)

(静岡市清水市民活動センター『パートナー』95号)

・藤枝と東京の学生対流が紡いだ学びの連鎖(2019)

(大正大学地域構想研究所『地域構想』第1号)

「私」との結びつきに注目するーじぶんごと化を進めるために(2019)

(NPO法人場とつながりの研究センター『小さく始めて、丁寧に育てる 対話の場のつくりかた~対話の場づくり運営ハンドブック~』)

気づきとアクションを生み出すフューチャーセンターのセッション設計 : しずおか消費者教育未来会議を事例として(2017)

(静岡大学イノベーション社会連携推進機構地域連携生涯学習部門『生涯学習教育研究』第19号)


メディア掲載等

・地域活動事例発表で交流ー静岡市人材養成講座「こ・こ・に」(2024・静岡新聞朝刊(2024年3月7日))

・しずおか人口減少時代(下)自治体 婚活支援に力 「地方で副業」も後押し(2022・読売新聞静岡版(2022年4月15日))

・地域実習で藤枝を深掘り 大正大生 オンライン開始式(2022・静岡新聞(2022年3月19日))

・藤枝の特産品をオンライン販売 大正大学生が連携自治体を応援(2020・静岡新聞(2020年11月6日))

NPO法人ESUNE(静岡市葵区) 社会貢献や企画提案(2020・中日新聞(2020年8月13日))

・中心街活性化、静岡大生が力 企業と連携、解決法を実践(2020・静岡新聞(2020年2月13日))

意図せず出会った静岡の街が、かけがえのない故郷に。(2019・静岡移住計画)

・U35 第14回「まちを担えるプレイヤーをどれだけ増やせるか 静岡で多様な主体の「参加」と「参画」の仕組みをつくる(2019・社会福祉法人大阪ボランティア協会 市民活動総合情報誌『ウォロ』NO.523)

社会課題に対する膨大な対話を編集〜静岡フューチャーセンター・サポートネットESUNE(2017・静岡時代『働くわたしの静岡時代』)

静岡県くらし環境部・県民生活課が主催し、電通東日本が受託する「若者主体の消費者教育・啓発事業」において、コーディネーターを拝命しました。

全3回のワークショップ型プログラムを進行しています。消費者教育では珍しいフィールドワーク&リサーチと、電通さんのクリエイティブを組み合わせたプログラムが進行中です。

理事としても活動している公益財団法人ふじのくに未来財団の助成事業選考委員会の委員を今年から拝命しました。8月1日は今年度第1回の選考で、助成申請してくださった11団体の事業を専攻いたしました。申請してくださった皆様、ありがとうございました!

選考会議では議論が加熱し、立場上、財団の理事として委員に参加していることもあり、助成事業・プログラムのあり方、支援のあり方を考え直す機会となりました。

写真は財団のFacebookページより。

連日娘と寝落ちして、深夜に起床し、洗い物をしてただいま12月31日午前5時。あと20時間もしない間に、2024年である。


2023年は「憂う」という言葉で象徴される一年だった。

身近なところでいえば、家族、自分自身、友人や恩師の怪我・病気であったり、仕事でいえば、法人で借入したり、取りたかった案件を諦めたり、世界的に見れば、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの終わりの見えない戦争、度重なる風水害や地震被害、それを引き起こす気候変動問題の深刻化であったりと、直接的にも間接的にも、心を痛めることが多かった。楽しいこと、嬉しいことも本当に多かったのだけれど、一年を総括した時に、憂うという印象を持ってしまうのは、残念でありながらも、今の日本を象徴しているように思う。年末にかけて明るみになった自民党の政治資金問題がいい例だ。見事なまでに、自分の政治不信を加速させた。

こういったことも重なって「本当に娘の将来は大丈夫なのだろうか」と何度も案じた一年でもあった。彼女は何事も起きなければ、きっと80年〜100年近くは生きる。この手の話は、<100年「後」はどんな未来?>という問いを考えがちだけれど、<どんな100年「間」を生きる?>という問いの方が、親としては気になる。今よりも複雑で難しく、大変な時代を生きていくのだから、その過程の方が心配だからだ。


一体、どうしたらいいのだろう。どこから手をつけるといいのだろう。

そんなことを考え続ける中、12月にたまたま『コモンの「自治」論』を手に取った。


実は3年前に修論を書いているときに、踏み込もうか迷い結果的に取り扱えなかったのが、コモンと自治という概念だった。

コモンとは、共有財・公共財のことであり、本の表紙にもあるが「資本の論理から抜け出す、みんなの共有財」のこと。

自治とは、平たく言えば、自分たちのことを、自分たちで責任を持って、自分たちで決めて取り組むこと。

一見共通項がありそうな2つの概念を、編者の一人である斉藤幸平氏は、

・<コモン>の共有管理を目指す場で、私たちは「自治」の力を磨いていくしかない。
・「自治」は<コモン>の再生に関与していく民主的なプロジェクト

と述べ、相互に関連し合いながら再生し、高めていくもの・実践的なものとして位置付けているのが印象的だった(それを念頭に、各章の執筆者それぞれの実践や考えが、そのリアリティを高めてくれた。特にまちづくりをしている立場からすると、杉並区長で公共政策研究者の研究者の岸本聡子氏のミュニシパリズムのレビュー、文化人類学者の松村圭一郎氏の地域の個店・店から始める自治の話題は、とても良かった。)


自分自身の仕事やフィールドに引き寄せれば、自分にとってNPOやまちづくりの世界の入口だった菊川市上倉沢の棚田の保全や、今なお関わり続ける掛川市のとうもんの里も、コモンの共同管理を通じた自治の実践であった。2022年から取り組むみんなのチャレンジ基地ICLaも、誰もが無料で自由に使える空間であり、当事者同士で管理し合うコモンであり、大学生を中心とした自治の実践である。そう考えると、地域におけるNPO(非営利組織)はコモンと自治の力を再生する装置であり、実践フィールドだ。

本書でも述べられている「希望なき時代の希望」が、実は自分の目の前にあり、憂うことが多い中でも、日々の積み重ねの先に希望があるというのは、救われた気持ちにもなった。だから、不思議と読み込んでしまったのかもしれない。


2023年は憂う一年だったが、憂うことがあるからこそ、それを補ったり、重ね合わせて修繕したり、強くしたりもできる。すなわち、「繕う(つくろう)」のである。この言葉は、破れた生地を縫い合わせる、装うという意味があるが、決してマイナスな意味だけではなく、あるものを活かし、誰かにとって、素敵な贈り物になる可能性を秘めた創造的な言葉でもある。

そして、繕うことは一人ではできない。上倉沢も、とうもんも、ICLaも、プロセスを開き、多くの人が関わり合いながらつくり続けてきたし、今もその最中にある。偶然にも、繕うは「つくろう」と呼びかける言葉でもあった。呼びかけと応答があって生まれる場でありプロジェクトだ。


2024年も憂うことはきっと多々ある。

しかし、だからこそ、呼びかけながら「繕う」。そういった一年にしていきたい。

※12月30日は毎年恒例になりつつある近所に住む友人とのおでん会。今年はおでん担当。

島根県中山間地域研究センターの皆田さんと、共同研究プロジェクト「地域づくりの担い手・組織の育成とコーディネート技術に関する研究ー地域人材育成像の検討と継続的な地域実践の環境整備策の開発ー」を立ち上げました。今後、いくつかの調査・分析・実践を進めながら、これからの地域づくりの担い手・組織が育つ環境の構築、地域づくりのコーディネート技術の研究開発を進めていきます。


今回は第一弾調査です。該当する全国の団体の皆様、ご協力をよろしくお願いいたします。


地域をフィールドにした研修・実習等の受け入れに関するアンケート調査

本調査は、地域をフィールドにした研修・実習等の受け入れ時の対応方法を明らかにすることを目的としています。アンケートの回答へのご協力をよろしくお願い申し上げます。


■対象:地域をフィールドにした研修や実習等の教育提供を行う団体で、過去に高校、大学、専門学校、企業、自治体のいずれかからの受け入れ実績がある全国の団体。

■調査方法:質問紙調査(Googleフォームを用いたWEBアンケート。希望者は回答用紙を送付)

■回答所要時間:約15〜20分

■回答上の注意事項

・本調査において、「地域をフィールドにした研修・実習等」とは、「高校、大学、専門学校の授業(実習科目)、ゼミ合宿、インターンシップ、企業や自治体などの社員・職員育成を目的とした研修等を指し、当該地域における活動への参加や住民へのインタビュー、課題解決策の提案等、地域をフィールドとした活動全般を行うもの」と定義します。

・本調査でいただいた団体情報、個人情報は各調査責任者が厳重に管理します。なお、分析結果の公表時には団体名等は公表せず、特定されることがないようにいたします。

■調査責任者:

・島根県中山間地域研究センター 地域研究科 専門研究員 皆田潔

・大正大学 地域創生学部 地域創生学科 助教 天野浩史

(本調査は研究プロジェクト「地域づくりの担い手・組織の育成とコーディネート技術に関する研究ー地域人材育成像の検討と継続的な地域実践の環境整備策の開発ー」の一環で実施しています)

■調査に関するお問い合わせ:

下記2名の調査責任者宛に、メールにてご連絡ください。

島根県中山間地域研究センター研究員 皆田潔

minata-kiyoshi [a] pref.shimane.lg.jp

大正大学地域創生学部助教 天野浩史

hirofumi_amano[a]mail.tais.ac.jp

※[a]を@に置き換えてください。


回答はこちらのURLよりお願いします。

地域をフィールドにした研修・実習等の受け入れに関するアンケート調査

本調査は、地域をフィールドにした研修・実習等の受け入れ時の対応方法を明らかにすることを目的としています。アンケートの回答へのご協力をよろしくお願い申し上げます。 ■対象:地域をフィールドにした研修や実習等の教育提供を行う団体で、過去に高校、大学、専門学校、企業、自治体のいずれかからの受け入れ実績がある団体。 ■調査方法:質問紙調査(Googleフォームを用いたWEBアンケート。希望者は回答用紙を送付) ■回答所要時間:約15〜20分 ■回答上の注意事項 ・本調査において、「地域をフィールドにした研修・実習等」とは、「高校、大学、専門学校の授業(実習科目)、ゼミ合宿、インターンシップ、企業や自治体などの社員・職員育成を目的とした研修等を指し、当該地域における活動への参加や住民へのインタビュー、課題解決策の提案等、地域をフィールドとした活動全般を行うもの」と定義します。 ・本調査でいただいた団体情報、個人情報は各調査責任者が厳重に管理します。なお、分析結果の公表時には団体名等は公表せず、特定されることがないようにいたします。 ■調査責任者: ・島根県中山間地域研究センター 地域研究科 専門研究員 皆田潔 ・大正大学 地域創生学部 地域創生学科 助教 天野浩史 (本調査は研究プロジェクト「地域づくりの担い手・組織の育成とコーディネート技術に関する研究 ー地域人材育成像の検討と継続的な地域実践の環境整備策の開発ー」の一環で実施しています) ■調査に関するお問い合わせ: 下記2名の調査責任者宛に、メールにてご連絡ください。 島根県中山間地域研究センター研究員 皆田潔 minata-kiyoshi [a] pref.shimane.lg.jp 大正大学地域創生学部助教 天野浩史 hirofumi_amano[a]mail.tais.ac.jp ※[a]を@に置き換えてください。

Google Docs

2022年4月15日読売新聞静岡版朝刊、「しずおか人口減少時代(下)」という連載の中でコメントが掲載されました。

2021年からアドバイザーとして事業に関わっている「藤枝未来型人材育成プロジェクト」を取り上げていただき、これからのまちづくりに必要な視点、地方で起きている動きについてコメントしました。

紙面の関係で主に複業の話を中心に取り上げられましたが、こんな話をしました。

・人口減少は恐らく、全国的にも避けられない問題。となると、「人口減少が進んでも豊かに暮らせる地域のあり方」を考えるフェーズに来ているのではないか。山崎亮さんが提案する「縮充(しゅくじゅう)」、すなわち、上手に縮んでいくことも考えていかなければならない

・そんな中、働き手の志向は変化し始めていて、地方志向や社会貢献志向が少しずつ現れ、実際に行動に起こしている人もいる。副業解禁やコロナ禍でのテレワークの普及はそれを後押しした印象があり、東京にいながら静岡県の中小企業で兼業で仕事をしたり、地域づくりのプロジェクトに関わる人も出てきている。「地方に移住して働きたい」だけではなく「今の暮らしも大切にしながら好きな地域の仕事に関わりたい」という志向があるのではないか。

・こういった働き手の変化に対して、受け入れる企業側のマインドセットや制度のあり方の更新が求められているのではないか。週5日・フルタイムで働ける人を前提に採用することが多いと思うが、例えば、週1日〜2日、プロジェクトベースで関わってもらうことで大きな成果を上げている企業もある。同時に、こういった働き手の参画によって組織風土を変革することも期待できる

・一人一人の持つ意思、能力、持ち味を活かした仕事場づくりによって、組織開発や事業発展の可能性は十分にある。そのための体制づくりはもちろん、支援するためのコーディネート機能や環境整備が求められてくる

・一方で、こういった働き方が広がっていき、「暮らす場所」と「働く場所」が多様化する中で、「暮らしに直結するエッセンシャルな仕事」は誰が担っていくのか?は引き続き重要な課題でもある。地域の暮らしを支える仕事を誰が、どのように担っていくのか。自治体も含めて、議論していかなければならない。

2022年4月1日付で、大正大学地域創生学部に助教として着任しました。

思えば、2017年からのお付き合いです(当時は現地でのフィールドワークの受け入れお手伝い)。法人経営もしつつ、大学教員・研究者として、大学と地域連携、学生のサポートを進めていきたいと思います。

こんな感じでまだ何にもない研究室・・・少しずつ整えていきます。

「社会のために」「地域のために」「まちのために」という語りが学生中心に増えたように思う。「ジェンダーの問題に関わりたい」「ひきこもり支援が重要」「留学生の・・・」という、特定のテーマへの想いを語る語りも増えたのではないだろうか。

自分を取り巻く世界へ目が向き、関心が高まっているのだろう。その興味の先に、少しでも、誰かの何かを支えたり、後押ししたりするのであれば、嬉しい。

ただ、彼らと話していると「社会」「地域」「ジェンダー」「環境保全」の言葉の箱に、中身が入っていないことがしばしばある。いや、透明な状態で入っているのか、もしくは箱を開けたら靄がかかっている状態といった方が適切かもしれない。


「地域のためって言っているけど、地域って何?誰のこと?」
「暮らしているすべての住民というけど、どんな人が目に浮かぶ?」


こんな問いを渡しながら、その箱の中に飛び込んで、一緒に探索していく。

続けていると、箱の中に、写真が見つかってくる。

あの時の、あの場所の、あのシーンが、その人からシェアされて、それを見ながら、新しい言葉が見つかって、その人だけの言葉がつくられていく。

手垢がついた言葉ではなく、湧水のようなキレイな言葉に出会う。

意味の共創では、そんな時間を過ごすことが多い。


しかし、写真が見つからないことだってある。

誰かが言ったのを間に受けたように、地域のため、社会のためと、借り物の言葉のように語ってしまうのではないだろうか。


だからこそ、自分が語る言葉が、借り物の言葉だと感じてしまうのなら、その言葉につながっている現場に出会ってほしい。その場所で、カメラを持って写真を撮って、自分の中に保存してほしい。

そしてそれを、どこかで見返してみてほしい。写真を見て気づいたことを、言葉に積み重ねていくと、借り物ではない、あなただけの言葉が生まれてくるのだと思う。

結果的に生まれた言葉が、誰かが使っている言葉だとしても、その語りの先には、「あの時の、あの人」が浮かんでくるのではないだろうか。


これからソーシャルなフィールドで活動する人がきっと増えるし、それだけではなく、生きていく中で意思を持って道を決める場面も増えていく。

自分の中にあるカメラで、写真を撮りにいこう。

きっとそこから、自分らしい言葉・意味が生まれてくるから。

この前の金曜も、大学生に出会う。

悩み、不安、後悔、焦り、そして時には諦めのような話を聴く日々が続く。

そしてその話を聴いていると、誰かに言われた言葉が、まるでトゲのように、彼らの心、思考を留めているように思えてならない。いや、「誰か」というのも、きっと彼らが直接出会ったことのない、実体のない「誰か」の言葉のように思う。TVやニュースを見ない世代と言われていても、メディアやSNSを通じて浴びる言葉が、彼らに刺さっているようだ。


思えば、少し前まで、「アドバイス」と称して、僕自身もたくさんの言葉をトゲのように刺してしまっていたのかもしれない。そこには、相談する/されるという間に生まれる上下関係の中で、「解決策」を示していたのだと思う。「わかりました」と言われて、彼らはまた歩いていくのだが、正直「これでいいのか」と思うばかりだった。


そんなとき、「ナラティブ・アプローチ」という概念に出会い、国重浩一さんの著書の中で、ジュラルド・モンク氏の「希望を掘りあてる考古学」の話に、心を撃ち抜かれてしまった。

 細心の注意と正確さで考古学者は、製菓用のブラシほどに小さな器具で地表をていねいに払い除けていく。このような注意深い動作を通して、一片の遺物をさらけ出していき、その行為を続けることによって、次の遺物もやがて現れてくる。バラバラの断片は識別され、探索が続くにつれて断片は互いに組み合わさっていくのである。断片にしか見えないものに対する細心の観察により、考古学者はその断片を組み立てていく。断片として残っていた人生における出来事の詳細が構築され、本来の意味が単に地形の起伏としか見えなかったものから生まれてくる。


 ナラティブ・アプローチの実践家には考古学者のもつあらゆる観察力、ねばり強さ、注意力、慎重さと繊細さが必要とされる。わずかな情報の断片から、特定の文化に根差した物語が始まるのである。


 考古学者と違って、ナラティブの実践家は目まぐるしく動き、ダイナミックで生命力にあふれた息づく文化のなかで仕事をしていく。そのカウンセリングの場には個人やカップル、あるいはグループとして人々が訪れる。


 カウンセリングにおけるナラティブの方法論とは、人生における問題によって覆い隠されてしまった才能や可能性を一緒に探求する旅に、クライアントを招待することである。考古学者の道具によって発掘されるだけではしかない受け身の土壌としてではなく、クライアントは何か実態のある、価値のあるものを再構築するための協力者としてはたらくのだ。ナラティブの実践家は気長で思慮深いねばり強さを頼りに、クライアントが人生における意義深い体験の断片を拾い集める手伝いをする。時として、これらの貴重な体験は、クライアントを人生の途上で立ち往生させてしまうような問題を回避する道を開いてくれるであろう。またある時は、それは人生を再構築する苦しみの途上での、小休止の合図となるかもしれない。


ジュラルド・モンク,1997=2008『ナラティブ・アプローチの理論から実践まで−希望を掘りあてる考古学』北大路書房


決してナラティブは万能な手法ではない(はず)が、現代の人と人の相互作用の場において、大きな意味を与えてくれていると思う。





最近の妄想の一つで、インターンシップ、採用、ボランティア参加など、マッチングと呼ばれる瞬間を「人と組織がともに意味をつくる場」と捉えたプログラムができないかと思い、先週、藤枝未来型人材育成プロジェクトの場で実験。松田さん、ご感想ありがとうございます!

まだまだ未完成な概念・ワークでありつつ、気づきをいただけたのはとてもありがたい時間でした。


この発想のきっかけとなるエピソードとして、首都圏で働くワーカーが、本業を持ちながらも地方のプロジェクトに関わる動きが生まれ、増え続けている。

例えば、「ふるさと兼業」を経由して、静岡では東京、名古屋、横浜、大阪、千葉など、静岡に縁がなかった方々が、ボランタリー(自発的に、無報酬で)にプロジェクトに参画されている。これは決して新しいことではない。市民活動におけるボランティアははるか以前から、自発的に、有償ではなく無償で活動に関わることは起きていたし、利他的(誰かのために、社会のために)だけではなく、利己的(自分の成長や経験のため)な動機での参画も指摘されている。ただ最近は、本来金銭的な報酬が発生してもおかしくはないレベルの業務内容を、「自らの経験のために」「自分の力試しのために」という目的意識から、「無報酬でも取り組みたい」というワーカーが生まれている。ふるさと兼業を仕掛けるNPO法人G-netでは、こういった金銭報酬ではない経験や成長や学びの対価を「意味報酬」として説明している。

ここから考え方を拡大させ、ワーカーに限らず、例えば大学生が企業でインターンシップを行ったり、あるいは就職をしたり、主婦や高齢者の方がNPOの活動に参画したり、そういったマッチングのあり方、参画の仕方を“「意味」を「共に」つくる行為”と捉えたのが、「意味の共創」である。

従来や現在、マッチングは、労働条件・雇用条件・組織の事情や希望などと照らし合わせ、面接・選考・採用を行うという考え方が前提にある。ここではマッチングは、決して対等な場ではなく、参画を希望する個人側が下位の立場にあり、面接・選考・採用する組織側が上位の立場にある。立場の上下による「見えない力」は、往々にして下位の立場にプレッシャーを与え、本来の力の発揮や意見や考えを発することを阻害してしまう。

これに対して、意味の共創としての捉え方では、組織側の条件や意向は加味しながらも、「この場ではあなたと私たちで、この組織に関わる(働く)意味を共につくる」という観念を前提としてみたい。

この立場を前提とすると、お互いを知り合うところから始まるはずである。個人・組織がそれぞれのことを語りながら、相互理解を深めていく。

そして、「どんな経験・成果が生まれるとお互いによい関わり方となるのか?」「最大限力が発揮される関わり方とは?」という問いが生まれると、対話が生まれ、従来の双方のキャッチボールのような問答ではなく、間に生まれる「意味」を生成していくような場(時間・空間)が構築されていく。選考・採用する/される、上司/部下という形で処理される関係ではなく、共に探究を深め、意味を共創する関係が形成されていくのではないだろうか。


実際に、私が代表を務めるNPO法人ESUNEでは、昨年から「意味の共創」という捉え方でスタッフの採用や関わり方をつくり直す実験を始めた。結果的に、ESUNEで外国人技能実習生を対象としたオンライン日本語サロンを運営することになり、そこに多くの大学生がスタッフとして関わりをはじめ、海外からもボランティアスタッフが参加するようなプロジェクトへと進化している。正直、マネジメントコストは一時的に増加した(当たり前だが、相互理解を深め対話をする分、時間はかかる)が、それ以上の価値をスタッフが作り上げたことが嬉しいし、この「共創的思考」で他者と関わるスタッフが増えていると実感する。

先週の講座では、

「紹介したような、意味を探究するワーカー(意味探究ワーカー)がこれから増えていくと考えると、ワーカーと組織の間をつなぐ仕事の意味付けを問い直す必要がある(働きがいというキーワードと共に指摘)」

「だからこそ、組織側が共創的思考で関わり方や仕事をつくることで、組織や事業のあり方を更新する未来が来るのでは」

という形でお話をさせてもらったが、この「意味を共につくる」共創的思考は、組織経営の視点だけではなく、一人一人がこの世界で大切にされて生きていける社会環境をつくるキーワードにもしたいと、個人的に思っている。

性別や学歴、ハンディキャップなど、社会的・歴史的に形成された固定観念で判定されることが、まだまだこの社会は多い。

そうではなく、一人一人の存在と個性を認め、理解し合い、共に意味をつくる人・組織が増えたなら、私たちはよりよく働ける、よりよく生きられるのではないだろうか。そのキーワードが、「意味の共創」「共創的思考」だと感じている。

妄想は、まだまだ、続く。

多様性については、ずいぶん前から重要性が訴えられ、行政や企業で進められる「女性の管理職登用推進」に対して、毎年のように、その低さがメディアで指摘されている。

言うまでもなく、多様性が指し示すのは女性だけではない。

労働の領域では、女性も含む多様なジェンダー、障がい者、外国人労働者。環境の領域では、生物多様性(種の多様性)。まちづくりの領域では、子どもからお年寄りまで含めた多世代、地元住民とよそ者。

それぞれの領域で多様性が想定する対象は違えど、共通しているのは、従来の「マジョリティ(大多数)や強者が考え、決定する」のではなく、「多様な立場から考え、決定する」、「今まで見過ごされていた立場や存在の力を十分発揮する環境をつくる」という価値観なのではないかと思う。


この方向性を否定するつもりはなく、むしろこの価値観が社会に広がっていくことは歓迎したい。

ただ、「女性の管理職登用」のように、「数値目標を目指すこと」のみに目が行ってしまう私たちの自然な思考には、違和感を感じている。

数字は明瞭で分かりやすいツールではあるものの、その分かりやすさ故か、何か大切なことを忘れてしまいそうになるのだ。


いま、「多様性」という言葉が私たち訴えかけるものは、なんなのだろうか。


この問いに対して、私自身が抱いているのは、「私ではない、あなたの視点」という認識である。


私たちは、自分の目で日常を見て、感じて、考え、多くのことを決断し、行動する。

そして残念ながら、私も含めて、多くの人がその決断と行動で、無意識にも誰かを傷つけてしまってきた(でなければ、社会はこんなにも悲しくはない)。

過去を振り返ってみたときに、私たちに足りなかったものは、いくつもあるだろう。その中でも、私自身が感じる反省的不足は、「あなたの視点」である。


もしも、あのとき、彼の立場で考えていたら、あんなことを言わなかった。もしも、あのとき、彼女たちの置かれている状況を知っていたら、こんなことをしなかった。

小学生でも教えられる「相手の立場で考える」が、大人になればなるほど、忘れてしまうのかもしれない。いや、相手の立場を考えるという面倒くさいことは敬遠して、自分の立場で押し通した方が楽(効率的)なのかもしれない。


多様性という言葉は、そんな私たちに警鐘を鳴らし、考え方を改めていく希望ある概念であるはずだが、「異なる存在がある(すなわち、女子管理職が●%である)」ことだけに私たちは目がいき過ぎているのではないか。

だからこそ、私は「多視性(たしせい)」という言葉を提案したい。つまり「私自身の中に、あらゆる立場の視点を持つこと」である。


“状況としての”多様性ある社会が実現したとしても、一人一人の価値観、そして思考・決断・行動に「あなた(他者)」の思いの理解が抜け落ちてしまっては、意味がないのではないだろうか。

そんな多視性を持つために、私たちは日々、様々な人や価値観と出会い、そして、対話を通じて、相手の考えを理解し合う(相互理解)ことで、私自身の中に「あなた」という存在と視点を溶けこましていくことが、求められているのかもしれない。